診療方針

本クリニックの理念および基本方針にもとづいて診療を実践し、医療の質を高く保つ。常に、高度な倫理意識を保持しつつ、患者利益を第一と考え、治療選択に対し、必要かつ十分なインフォームドコンセントを行います。
神経内科

頭痛・めまい・しびれ・ふるえ・けいれん・力が入らない・歩きにくい・物忘れ・喋りにくい・意識障害などでお困りの方は、まずは状態をお伺いして、必要に応じた検査をした上で診断し治療を行ってまいります。

脳卒中
脳内には多くの血管があります。この血管が詰まったり破れたりすることを脳卒中といいます。脳卒中には、脳の動脈に血栓が詰まり血液が流れなくなることによりその先の脳細胞が死んでしまう脳梗塞、脳の血管が破れて脳内に血液が流出する脳出血、クモ膜下に血液が流出してしまうクモ膜下出血などがあります。
何からの局所神経脱落症状を有する症例は、脳卒中の可能性が高く、速やかに頭部CT等にて画像診断を行います。脳卒中の臨床病型を診断し、「脳卒中治療ガイドライン2015」に基づいて、入院治療が必要な場合は速やかに救急搬送します。慢性期には薬物療法のみならず、生活習慣を含めた再発予防に努めます。
パーキンソン病関連疾患
パーキンソン病は何もしていない時や何かをする時に手足がふるえたりします。また動作がゆっくりになったり、顔の表情が乏しくなったり、筋肉に緊張があり、倒れる時に両手をつくような反射動作できなくなったりします。このような症状が組み合わせで見られる場合も多くあります。
パーキンソン病においては「パーキンソン病治療ガイドライン2011」に従い治療を行っていきます。日常生活が著しく制限され、内服コントロールが必要な場合には、専門病院への入院を勧めます。
パーキンソン症候群である場合には関連病院で必要な検査を行い、正しい診断をつける。そして疾患毎の治療に当たります。ただし、ほとんどの場合で治療ガイドラインがないため、日本神経学会等でup-dateされた情報を参考にして治療に当たります。
頭痛疾患
急性頭痛と慢性頭痛に分けて対応します。急性頭痛の場合は脳血管障害や髄膜脳炎の可能性があり、速やかに頭部CT等にて画像診断を行います。片頭痛などの一次性頭痛(明らかな基礎疾患のない頭痛)と考えられる場合には、「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」に基づいて治療を開始します。画像診断に異常がないケースでも、中枢神経系における感染症が疑われた場合には髄膜脳炎の鑑別を行う必要があり、救急搬送いたします。
認知症
まず認知症であるか否かを診断します。すなわち、発熱や脱水など、全身状態の悪化による偽性認知症を鑑別する必要があります。次に治療可能な認知症、すなわち慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症、脳腫瘍などの脳外科的疾患を鑑別し、続いて甲状腺機能低下症、ビタミンB12 欠乏症、葉酸欠乏症などの鑑別のため、生化学検査を行います。 これらが除外された場合には、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症を鑑別していきます。いずれも根治しない疾患であり、治療は対処療法となりますが、患者利益を第一に考え対応します。また認知症に伴う、せん妄状態も稀ではなく、まずせん妄の原因の検索・治療を優先していきます。
てんかん
てんかんは基礎疾患の有無により原発性と続発性に分類できますが、てんかんの診断と治療に関しては「てんかん治療ガイドライン2010」に詳しく記載されており、同ガイドラインに沿って対応していきます。また、同ガイドラインの「てんかん患者へのアドバイスと情報提供」に沿ってアドバイスや公的援助の案内も行っていきます。